「山形県の補助金制度について詳しく知りたい」「経費負担を減らすために補助金を使いたい」と考えている事業者の方は多いのではないでしょうか。
今回は、山形県で中小企業や個人事業主が利用できる補助金制度を10種類紹介します。各制度の詳細や利用条件も解説していますので、事業に役立つ補助金の活用を検討してみてください。
次期作土づくり緊急支援事業|鶴岡市
山形県鶴岡市では、資材の高騰や高温対策に取り組むために、土づくりを行う農業者を支援する「次期作土づくり緊急支援事業」を利用できます。農業者は、堆肥の施用と土壌改良剤の施用に係った経費の一部に対し、補助を受けられます。
堆肥の施用に関する支援の対象資材は、肥料登録のある堆肥(牛・豚・パーク堆肥など)やコンポスト(つるおかコンポスト)、ケイフン等家畜排せつ物由来の肥料(肥料の品質の確保等に関する法律に基づく特殊肥料または汚泥肥料であり、登録された肥料)です。
また、土壌改良剤の施用に関する支援の対象資材は、ケイカル(けい酸質肥料)や苦土石灰(石灰質肥料 ※生石灰及び消石灰を除く)、ゼオライト等の土壌改良剤(地力増進法施行令に指定された資材(バーク堆肥を除く)および肥料の品質の確保等に関する法律に定められた「けい酸質肥料」および「石灰質肥料(生石灰および消石灰を除く)」で、登録された肥料)です。
補助単価については、それぞれ以下のように定められています。
- 堆肥の施用:1トンあたり1,200円以内の額(交付金額100円未満切捨)
- 土壌改良剤の施用:20キログラムあたり40円以内の額(交付金額100円未満切捨)
詳細:
山形市住宅リフォーム総合支援事業|山形市
山形県山形市では、市内の居住環境をより良くし、住宅関連産業における経済の活性化を目指すことに合わせて、人口減少の抑制および空き家対策に取り組むためのリフォーム工事を行う市民に対し工事費の一部を補助しています。
この制度は、所得制限のない「県市補助タイプ」と所得制限のある「市補助タイプ」の2種類に分かれており、それぞれ内容が異なります。
詳細:https://www.city.yamagata-yamagata.lg.jp/kurashi/tochi/1007258/1003551.html
県市補助タイプ
県市補助タイプは、山形市民でかつリフォーム工事を行う住宅、もしくは空き家の所有者であり、市民税を滞納していない方が対象となります。
対象となる工事は、5万円以上の費用を要する家屋の修繕や模様替え、増築等の工事です。工事の内容は、5つの要件工事「減災対策」「寒さ対策・断熱化」「バリアフリー化」「克雪化」「県産木材施用」のうち、1つ以上を満たし、かつ工事基準点が10点以上必要です。なお、工事費が50万円未満である場合に限り、5点以上の基準点で補助対象となります。
補助額は世帯によって異なり、それぞれ以下の通りです。
世帯の種類 | 補助率 | 補助限度額 |
一般世帯 | 工事に要する経費の20%(消費税込み) | 24万円 |
移住世帯※1新婚世帯※2子育て世帯※3 | 工事に要する経費の33%(消費税込み) | 30万円 |
減災対策工事 | 工事に要する経費の80%(消費税込み) | 30万円 |
※1:平成31年4月1日以降に山形県内から山形市内へ引っ越し、もしくは東日本大震災の被災地に居住しており、平成31年3月31日までの間に山形市内に移り住み転入届を提出した世帯を指す
※2:補助事前申込日の時点で、婚姻届の提出日から5年以内である世帯を指す
※3:平成18年4月2日以降に出生した世帯員がいる世帯を指す
市補助タイプ
市補助タイプは、山形市民でかつリフォーム工事を行う住宅、もしくは空き家バンクに登録されている空き家の所有者であり、市民税を滞納していない方が対象です。加えて、世帯の中で最も収入の多い方の所得が400万円以下(前年度)であることが求められます。
対象となる工事は全部で17種類あり、工事費が5万円以上のものが補助対象です。工事例を以下にいくつか挙げますので、詳しくは「令和6年度 山形市住宅リフォーム総合支援事業について 別紙」をご覧ください。
- 屋根の塗装、修繕、葺き替え(破風、鼻隠しを含む)、雪止め(スノーストップ等)の設置、修繕工事
- 雨樋の塗装、修繕、取り替える工事
- 外壁の塗装、吹付け、修繕、張り替える工事
補助額については、20万円を限度額とし、工事に要した経費の50%です。
商工業地域活性化支援事業費補助金|米沢市
山形県米沢市では、市内の商工業活性化を推進するために、商店街の団体や中小企業等が行う事業に対し、費用の一部を補助しています。
この制度の対象となるのは、以下のいずれかに該当する事業者です。
- 中小企業者
- 本市の産業振興を目的とした団体
- 中小企業者によって構成された団体
- 主体的にまちづくり活動を行うことを目的とした団体
上記に加えて、暴力団員との関わりがないこと、市税等を滞納していないことが交付条件となります。
補助金額・補助率については、補助対象事業によって異なります。詳しくは、以下の表をご覧ください。
事業名 | 内容 | 補助金額 |
商業活性化事業 | 商店街等で通用するカードを作成するもの複数の商店または商店街への集客を高めるためにイベント等を行うものホームページを作成するもの商店街周辺のマップ等を作成するもの | 指定区域で行う事業の場合:経費の2分の1に相当する額(又は30万円のいずれか低い額以内の額) 当該区域以外で行う事業の場合:経費の2分の1に相当する額(または20万円のいずれか低い額以内の額) |
商店街基盤整備事業 | 商店街の環境や施設を整備するもの商店街の現況を把握し、及び振興のために行う調査等に係るもの | 経費の2分の1に相当する額(又は20万円のいずれか低い額以内の額) |
新商品等開発支援事業 | 商品・製品の開発を行うもの試作品の製作等を行うもの | 経費の2分の1に相当する額(または20万円のいずれか低い額以内の額) |
公益事業 | 指定区域において、社会貢献活動や地域づくり活動を行うもの | 経費の2分の1に相当する額(または20万円のいずれか低い額以内の額) |
空き店舗活用事業 | 指定区域に存する空き店舗を活用して行う事業のうち、次の項目以外のもの 農業、林業及び漁業風俗営業等 | 経費の2分の1に相当する額(または30万円のいずれか低い額以内の額) |
販路拡大支援事業 | 県外または市長が適当と認めるウェ ブサイトで開催される見本市、展示会、博覧会等(小売りを主たる目的とするものを除く)に参加するもの | 経費の2分の1に相当する額(または10万円のいずれか低い額以内の額) |
(米沢市商店街活性化事業費補助金について 【補助対象事業】を参考に作成)
詳細:https://www.city.yonezawa.yamagata.jp/soshiki/5/1019/5/hozyokin/7823.html
川西町再生可能エネルギー設備導入事業費補助金|川西町
山形県川西町では、家庭や事業所に再生可能エネルギーを導入し、温室効果ガスの排出量を減らすための取り組みを行う事業者に対し、事業に係る経費の一部を補助しています。
この制度を利用できるのは、以下すべての要件に該当する事業者です。
- 町内に住所を有する(または予定している)個人または町内で1年以上同一の事業を継続して営んでいる法人・個人事業主であること
- 申請者本人および全ての世帯員が直近の市町村税等の納期限を過ぎていないこと
- 交付が決定された後に事業に着手し、令和7年3月31日までに事業を完了すること
- 同じ設備に対して町からの他の補助金などを受けていないこと
- 過去に同じ設備に対して町の補助金を受け取っていないこと
補助金額は導入する設備によって異なり、それぞれ以下の通りです。
対象設備 | 補助金額 |
太陽光発電設備 | 補助対象経費の10分の1とし、10万円を限度とする※千円未満の端数があるときは、これを切り捨てる |
定置用蓄電池設備 | 初期実効容量1kWhあたり2万円を乗じて得た額または補助対象経費の10分の1のうち、10万円を上限とするいずれか低い額※千円未満の端数があるときは、これを切り捨てる |
木質バイオマス燃焼機器 | 補助対象経費の3分の1とし、5万円を限度とする※千円未満の端数があるときは、これを切り捨てる |
詳細:https://www.town.kawanishi.yamagata.jp/kurashi/seikatsukankyo/2024-0509-0857-77.html
寒河江市ぶどう産地育成支援事業|寒河江市
山形県寒河江市では、寒河江市内のぶどう農家の発展を目指し、令和2年度にクラウドファンディングが行われました。このクラウドファンディングによって得た資金をもとに、市内のぶどう農家における生産拡大と継続を推進するための補助金を提供しています。
当制度は「市産ぶどうの生産拡大に対する支援」と「市産ぶどうの生産継続に対する支援」の2種類に分かれています。
まず「市産ぶどうの生産拡大に対する支援」の対象となるのは、市内に住所を持つ販売農家、もしくは農業生産法人で以下を満たす方です。
- 新たにぶどう栽培を始める方
- すでにぶどう栽培を行っており、栽培面積を拡大する方
上記を満たす場合、拡大する面積10アールあたり160万円を上限額とし、ぶどうの栽培開始や規模拡大に係る経費の2分の1が補助されます。
続いて「市産ぶどうの生産継続に対する支援」では、市内でぶどうを生産・販売し、かつ市内に住所がある販売農家もしくは農業生産法人が対象です。生産を継続するための面積10アールあたり16万円を上限額とし、ぶどうの生産継続に必要と認められる経費の2分の1が補助されます。
詳細:https://www.city.sagae.yamagata.jp/jigyou/nougyou/farmer/budosien.html
鳥獣被害防止のため電気柵等の導入支援|寒河江市
山形県寒河江市では、クマやイノシシによる農作物への被害を防ぐための対策を行う際に、導入した電気柵やワイヤーメッシュ柵の購入費用の一部を補助しています。
交付要件として、以下の2点があります。
- 寒河江市内に住み、農業を営む個人または農業団体であること
- 電気柵などの使用に関する「安全講習会」に参加すること
なお、詳細は農林課農業振興係まで問い合わせる必要があるため、申請を検討する方は以下の公式サイトよりお問い合わせください。
詳細:https://www.city.sagae.yamagata.jp/jigyou/nougyou/farmer/tyojuyokoku.html
紅花の伝統を繋ぐ製品開発支援事業費補助金|米沢市
山形県米沢市では、紅花の伝統を継承することを目的とし、市内の教育機関や中小企業者で紅花を使った製品を開発する際の費用に対して一部を補助しています。
この制度の対象となるのは、米沢市内にある高等学校・大学、もしくは中小企業です。
補助対象経費には、原材料や旅費、機械器具購入費、委託費、使用料及び賃借料、手数料及び通信運搬費があり、紅花を使った製品開発に係る費用が対象となります。
補助額については、以下の通りです。
- 高等学校・大学:上限20万円(補助率10/10)
- 中小企業者:上限20万円(補助率2/3)
詳細:https://www.city.yonezawa.yamagata.jp/soshiki/5/1019/5/7711.html
上山市空き店舗等リノベーション支援事業補助金|上山市
山形県上山市には、店舗等を出店するために空き店舗や空き家の改修工事を行った場合、費用の一部を補助する制度があります。
この制度は、以下に該当する改修を行う場合に利用可能です。
- 所有権者または借り手が、空き店舗や空き家などを利用して店舗を開設するための改装
- 所有権者または借り手が、空き店舗や空き家などを活用して街の活性化に貢献する事業用のオフィスを設立するための改装
補助金額は月額5万円を上限とし、店舗営業開始日の属する月から12ヶ月間以内において、以下の金額が交付されます。
- 出店のための改修費の1/2、もしくは100万円のいずれか低い額
- 店舗賃借料(敷金、礼金、保証金、管理費、共益費等を除く)の1/2
詳細:https://www.city.kaminoyama.yamagata.jp/soshiki/9/renovation.html
令和6年度山形のうまいもの創造支援事業
令和6年度山形のうまいもの創造支援事業は、山形県内における農林水産物や地域資源等を活用し、農林水産業を起点とした新しい食産業を推進するための事業に取り組む事業者が利用できます。
この制度を利用できるのは、以下いずれかの要件を満たす方です。
- 生産者(農業者、森林所有者、漁業者など)
- 生産者が主体となり、代表者が生産者である組織
- 農業協同組合
- 森林組合等林業事業体
- 漁業協同組合や漁業生産組合
- 農業協同組合、森林組合、漁業協同組合などのいずれかが主要な出資者である法人
- 市町村
- 市町村が主要な出資者である法人
補助対象事業は、大きく分けて2種類あります。
- 農林漁業者が自らの6次産業化に必要な機械や施設改修
- 地域の農林漁業者が利用できる6次産業化拠点施設で使用する機械の導入
補助金額はプロジェクト内容によって異なり、それぞれ以下の通りです。
プロジェクト | 補助上限額 | 補助率 |
自らの6次産業化に取り組むプロジェクト | 3,000万円 | 3分の1以内 |
地域の6次産業化に取り組むプロジェクト | 4,000万円 | 県:4分の1以内市町村:12分の1以上 |
詳細:https://www.pref.yamagata.jp/140031/sangyo/nourinsuisangyou/nogyo/6jisangyou/umaimonosienr6.html
令和6年度山形県中小企業特別高圧電力負担軽減事業費補助金
山形県中小企業特別高圧電力負担軽減事業費補助金は、県内で特別高圧電力を契約し、電気料金高騰の影響を受けている中小企業者が利用できます。
この制度の対象となるのは、みなし大企業を除き、以下の要件に該当する中小企業等です。
- 県内の事業所などで特別高圧電力を契約している中小企業等
- 県内の商業施設などで特別高圧電力を契約し、テナントとしてその費用を負担している中小企業等
令和5年10月から令和6年5月分までの電気料金において、対象者が特別高圧電力を使用して費用を負担した場合、以下の計算方法で補助金が算出されます。
- 令和5年10月分~令和6年4月分:電気使用量1kwh×1.8円
- 令和6年5月分:電気使用量1kwh×0.9円
なお、1事業者あたりの補助上限額は2,200万円です。
詳細:https://www.pref.yamagata.jp/110002/sangyo/shokogyo/shien/tokubetsu_kouatsu2024.html
まとめ
今回の記事では、山形県で個人事業主や中小企業が利用できる補助金について、10種類の制度を紹介しました。
さまざまな種類の補助金が提供されているため、幅広い制度から事業内容に合ったものを選ぶことが大切です。記事で紹介した制度を参考にしながら、自社にとって利用効果の高い補助金を選び、申請の準備を進めましょう。