2024年(令和6年度)に利用できる働き方改革推進支援助成金を徹底解説

2024年(令和6年度)に利用できる働き方改革推進支援助成金を徹底解説

「働き方改革推進支援助成」は、1人でも従業員がいる事業所で利用できる、職場改善を目的とした助成金です。しかし、これを見ている方の中には「具体的にどのような制度なのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。

今回は、働き方改革推進支援助成金について、5種類のコース内容を詳しく解説します。

中小企業や個人事業主が利用できる助成金を探している方、社内の働き方改革を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

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森田洋生
1980年東京生まれ鹿児島在住

MBAの知識を活用して、
補助金や助成金の事業計画書作成事業を経営

顧客の事業を綿密に調査を行い、
計画書に一つ一つ魂を込めて
作成を行っている。

融資周り事情にも精通し、
国の認定支援機関に登録されている。

JAPANMENSA会員所属
趣味:料理つくり・ゲーム・SUP

目次

厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金」とは?

厚生労働省の「働き方改革推進支援助成金」とは、中小企業や小規模事業者、事業主団体に対して、働き方改革を促進するための支援を提供する制度です。この助成金は、労働時間の短縮や労働生産性の向上を目指しており、そのためのさまざまな取り組みを支援します。

具体的には、従業員の労働時間短縮や柔軟な働き方の導入を支援するための費用補助が行われます。助成金を利用することで、フレックスタイム制度や遠隔勤務システムの導入、業務プロセスの効率化などが可能となります。これにより、従業員のワークライフバランスの改善やストレスの軽減、生産性の向上が期待されます。

また、この助成金を活用することで、企業は従業員の働きやすさを高めながら、持続可能な事業運営を実現することができます。さらに、働き方改革推進支援助成金は、労働時間の設定の改善や効率化に取り組む事業主団体にも支援を提供し、地域経済の活性化や労働環境の改善に寄与します。

働き方改革推進支援助成金は5種類のコースに分けられる

働き方改革推進支援助成金は、全部で5種類のコースに分けられます。

  • 働き方改革推進支援助成金 (適用猶予業種等対応コース)
  • 働き方改革推進支援助成金 (労働時間短縮・年休促進支援コース)
  • 働き方改革推進支援助成金 (勤務間インターバル導入コース)
  • 働き方改革推進支援助成金 (労働時間適正管理推進コース)
  • 働き方改革推進支援助成金 (団体推進コース)

それぞれのコースについて、内容を詳しく確認しましょう。

適用猶予業種等対応コース

2023年から、働き方改革推進支援助成金の中に「適用猶予業種等対応コース」が設けられました。あります。このコースは、2024年4月1日から時間外労働の上限規制が適用される適用猶予業種(建設業、運送業、病院など)を支援することを目的としています。

適用猶予業種等対応コースは、以下を満たす中小企業の事業主が対象です。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 交付申請時点で、成果目標の設定に向けた条件を満たしていること
  • 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること

中小企業の事業主とは、以下の資本金(出資額)または労働者の条件に該当する場合を指します。

業種資本金(出資額)労働者数
建設業3億円以下300人以下
運送業3億円以下300人以下
病院業5,000万円以下300人以下
砂糖製造業3億円以下300人以下

申請要件

適用猶予業種等対応コースの申請要件は、「成果目標」と「支給対象となる取組」をそれぞれ1つ以上実施している必要があります。

まず、成果目標とは以下の4つです。

  • 全ての対象事業場において、36協定について時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届出を行うこと(病院等の場合は、月80時間以下)
  • 全ての対象事業場において、4週5休から4週8休以上の範囲で所定休日を増加させること(建設業が選択可能)
  • 全ての対象事業場において、9時間以上の勤務間インターバル制度の規定を新たに導入すること(運送業、病院等が選択可能)
  • 医師の働き方改革推進に関する取組として「労務管理体制の構築等」「医師の労働時間の実態把握と管理」を全て実施すること(病院等が選択可能

また、支給対象となる取り組みは、以下のいずれかを選択します。

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 人材確保に向けた取組
  • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • 労務管理用機器の導入・更新
  • デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新

支給額の目安

支給額は、成果目標1〜4の上限額および賃金加算額の合計、もしくは対象経費の合計額×補助率3/4のうち、いずれか低いほうが支給される仕組みです。

なお、上限額は以下のように設定されています。

  • 成果目標1:150万〜250万円
  • 成果目標2:100万円
  • 成果目標3:50万〜150万円
  • 成果目標4:50万円

労働時間短縮・年休促進支援コース

働き方改革推進支援助成金のなかでも、労働時間の短縮や年次有給休暇の促進を支援する助成金として「労働時間短縮・年休促進支援コース」が提供されています。この助成金は、企業が生産性を向上させるために取り組む時間外労働の削減や、年次有給休暇・特別休暇の促進に向けた環境整備を支援します。

労働時間短縮・年休促進支援コースは、以下を満たす中小企業の事業主が対象です。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 交付申請時点で、成果目標の設定に向けた条件を満たしていること
  • 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること

中小企業の事業主は、以下のA・Bのいずれかを満たしている必要があります。

業種A:資本または出資額B:常時使用する労働者
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

申請要件

労働時間短縮・年休促進支援コースでは、申請要件として「成果目標」と「支給対象となる取組」をそれぞれ1つ以上実施していることが求められます。

まず、成果目標は以下の3つがあります。

  • 全ての対象事業場において、36協定について時間外・休日労働時間数を縮減し、月60時間以下、又は月60時間を超え月80時間以下に上限を設定し、所轄労働基準監督署長に届け出を行うこと
  • 全ての対象事業場において、年次有給休暇の計画的付与の規定を新たに導入すること
  • 全ての対象事業場において、時間単位の年次有給休暇の規定を新たに導入し、かつ、特別休暇の規定をいずれか1つ以上を新たに導入すること

また、支給対象となる取組として、以下のいずれかの実施が必要です。

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 人材確保に向けた取組
  • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • 労務管理用機器の導入・更新
  • デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

支給額の目安

支給額は、成果目標に合わせて経費の3/4までが受け取れます。なお、成果目標によって上限があるため、注意しましょう。

  • 成果目標1:100万円~200万円
  • 成果目標2:25万円
  • 成果目標3:25万円

勤務間インターバル導入コース

働き方改革推進支援助成金の中にある「勤務間インターバル導入コース」は、企業が勤務間インターバル制度を導入する際に支援する助成金です。

この制度は、労働者の健康を保護するために、勤務終了後から次の勤務までの間に一定の休憩時間を設けるものです。過度な労働負荷を軽減し、労働環境の改善に役立ちます。

勤務間インターバル導入コースは、以下の条件を満たす中小企業が対象となります。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 次のアからウのいずれかに該当する事業場を有する事業主であること
    • ア:勤務間インターバルを導入していない事業場
    • イ:既に休息時間数が9時間以上の勤務間インターバルを導入している事業場であって、対象となる労働者が当該事業場に所属する労働者の半数以下である事業場
    • ウ:既に休息時間数が9時間未満の勤務間インターバルを導入している事業場
  • 全ての対象事業場において、交付申請時点及び支給申請時点で36協定が締結・届出されていること
  • 全ての対象事業場において、原則として過去2年間に月45時間を超える時間外労働の実態があること
  • 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること

また、以下のAもしくはBを満たす中小企業事業主が対象です。

業種A.資本または出資額B.常時使用する労働者
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業(※2)5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

申請要件

勤務間インターバル導入コースでは、申請要件として「成果目標」の達成と、「支給対象となる取組」を1つ以上実施していることが求められます。

成果目標は、事業主が事業実施計画で指定したすべての事業場において、休息時間数が9時間以上11時間未満もしくは、11時間以上の勤務間インターバルを導入し、定着を図ることです。

また、支給対象となる取組は以下が挙げられます。

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 人材確保に向けた取組
  • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • 労務管理用機器の導入・更新
  • デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

支給額の目安

支給額は、経費の原則3/4が支給されますが、休憩時間などによって上限が異なります。

  • 休憩が9時間以上11時間未満:80万円(すでにインターバル制度を導入している企業は40万円)
  • 休憩が9時間以上11時間未満:100万円(すでにインターバル制度を導入している企業は50万円)

団体推進コース

働き方改革推進支援助成金の中の「団体推進コース」は、事業主団体などが所属する企業の労働条件の改善に向けて時間外労働の削減や賃金引き上げなどの取り組みを推進するための助成金です。

この助成金は、所属する企業の労働環境の改善を促進し、労働者の働きやすさや生活の質の向上に寄与します。

団体推進コースは、以下に該当する中小企業の事業主が対象です。

  • 3事業主で構成され、1年以上の活動実績があること
  • 労働者災害補償保険の適用事業主であり、中小企業の事業主が構成全体の1/2以上であるkと
  • 共同事業主の場合、10以上の事業主で組織されていること

中小企業の事業主は、以下のAもしくはBを満たしている必要があります。

業種A:資本または出資額B:常時使用する労働者
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

申請要件

団体推進コースでは、「成果目標」の達成と「支給対象となる取組」を1つ以上実施している必要があります。

成果目標は「支給対象となる取組内容について、事業主団体等が事業実施計画で定める時間外労働の削減又は賃金引上げに向けた改善事業の取組を行い、構成事業主の2分の1以上に対してその取組又は取組結果を活用すること」が挙げられています。

また、支給対象となる取組については、以下の項目があります。

  • 市場調査の事業
  • 新ビジネスモデル開発、実験の事業
  • 材料費、水光熱費、在庫等の費用の低減実験(労働費用を除く)の事業
  • 下請取引適正化への理解促進等、労働時間等の設定の改善に向けた取引先等との調整の事業
  • 販路の拡大等の実現を図るための展示会開催及び出展の事業
  • 好事例の収集、普及啓発の事業
  • セミナーの開催等の事業
  • 巡回指導、相談窓口設置等の事業
  • 構成事業主が共同で利用する労働能率の増進に資する設備・機器の導入・更新の事業
  • 人材確保に向けた取組の事業

支給額の目安

支給額については、以下のうち、いずれか低いほうの額で決定します。

  • 対象経費の合計額
  • 総事業費から収入額を控除した額(収入が発生した場合)
  • 上限額500万円

なお、都道府県単位もしくは複数の都道府県で構成される事業主の場合、上限額は1,000万円です。

労働時間適正管理推進コース

働き方改革推進支援助成金の中の「労働時間適正管理推進コース」は、企業が労働時間の適正管理を推進するための助成金です。企業が労務・労働時間の適正管理を強化するための取り組みを支援します。

労働時間の管理に関して、賃金台帳などの労務管理書類の保存期間が5年に延長されました。(当面の間は3年)

労働時間適正管理推進コースは、以下のすべてを満たす中小企業事業主が該当します。

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 全ての対象事業場において、交付決定日より前の時点で、勤怠(労働時間)管理と賃金計算等をリンクさせ、賃金台帳等を作成・管理・保存できるような統合管理ITシステムを用いた労働時間管理方法を採用していないこと
  • 全ての対象事業場において、交付決定日より前の時点で、賃金台帳等の労務管理書類について5年間保存することが就業規則等に規定されていないこと
  • 全ての対象事業場において、交付申請時点で、36協定が締結・届出されていること
  • 全ての対象事業場において、交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること

中小企業事業主とは、以下のAもしくはBを満たす企業を指します。

業種A:資本または出資額B:常時使用する労働者
小売業(飲食店を含む)5,000万円以下50人以下
サービス業5,000万円以下100人以下
卸売業1億円以下100人以下
その他の業種3億円以下300人以下

申請要件

労働時間適正管理推進コースでは、申請要件として「成果目標」の全てを達成し、かつ「支給対象となる取組」を1つ以上実施している必要があります。

成果目標は、以下の3つがあります。

  • 全ての対象事業場において、新たに勤怠(労働時間)管理と賃金計算等をリンクさせ、賃金台帳等を作成・管理・保存できるような統合管理ITシステムを用いた労働時間管理方法を採用すること
  • 全ての対象事業場において、新たに賃金台帳等の労務管理書類について5年間保存することを就業規則等に規定すること
  • 全ての対象事業場において、「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」に係る研修を労働者及び労務管理担当者に対して実施すること

また、支給対象となる取組については、以下のいずれか1つ以上を実施しましょう。

  • 労務管理担当者に対する研修
  • 労働者に対する研修、周知・啓発
  • 外部専門家(社会保険労務士、中小企業診断士など) によるコンサルティング
  • 就業規則・労使協定等の作成・変更
  • 人材確保に向けた取組
  • 労務管理用ソフトウェアの導入・更新
  • 労務管理用機器の導入・更新
  • デジタル式運行記録計(デジタコ)の導入・更新
  • 労働能率の増進に資する設備・機器等の導入・更新(小売業のPOS装置、自動車修理業の自動車リフト、運送業の洗車機など)

支給額の目安

支給額については、上限額を100万円として、経費の3/4が支払われます。

なお、賃金額の引上げ目標を達成すると加算される場合があります。

まとめ

今回は、働き方改革推進支援助成金の制度内容について解説しました。働き方改革推進支援助成金は5つのコースに分かれており、それぞれで内容が異なります。

中小企業にとって働き方改革は、従業員にとって働きやすい環境を提供し、生産性向上を目指すために欠かせません。働き方改革を検討する際は「働き方改革推進支援助成金」を利用できないか検討し、自社に合ったコースを活用しましょう。

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