長野県で事業を営んでいる方の中には「今活用できる補助金制度を探している」「補助金を利用して事業の経費を抑えたい」という方は多いのではないでしょうか。
今回は、長野県で中小企業や個人事業主が利用できる10種類の補助金制度について、制度内容や利用条件などを詳しく紹介します。記事の内容を参考に、適切な制度を見つけてください。
山形村開村150周年記念事業補助金|山形村
長野県山形村では、開村から150周年を記念し、地域の復興や住民の交流を目的とした村民による記念事業に対して「山形村開村150周年記念事業補助金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、以下の要件をいずれも満たす事業者です。
- 5人以上のメンバーを有し、その過半数が村内に住んでいるか、働いており、イベントに参加していること
- 代表者が明確であり、予算や決算を管理していること
上記に該当する事業者は、山形村内で令和7年1月までに完了する事業に対して補助を受けられます。なお、補助額は1事業あたりの交付限度額を10万円とし、補助対象事業費のうち3分の2以内で決定します。
詳細:https://www.vill.yamagata.nagano.jp/docs/281325.html
生産性向上等投資促進事業補助金|上田市
長野県上田市では、生産性とエネルギー向上に取り組み、原油・原材料の価格高騰や人材不足、働き方改革に対応するための補助事業を行う事業者に対し「生産性向上等投資促進事業補助金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)第2条第1項に規定され、かつ上田市内に事業所を構える中小企業者です。なお、以下のいずれかに該当する場合は対象外となります。
- 市税を滞納している個人または法人
- 上田市の暴力団排除条例(平成24年条例第6号)第2条に定める暴力団や暴力団員、およびそれらと取引を行っている者
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条に規定される営業を行っている者
- その他市長が補助金の交付対象者として適当でないと判断する者
補助対象事業者として認められた場合、以下の事業に取り組む業者に対して補助金が交付されます。
- 機械及び装置(購入価格160万円以上のものに限る)
- 器具及び備品(購入価格30万円以上のものに限る)
- 測定工具及び検査工具(購入価格30万円以上のものに限る)
- 建物附属設備備(購入価格60万円以上のものに限る)
- エネルギー管理システム
- ガスコージェネレーションシステム
補助対象事業の詳しい要件については、「令和6年度生産性向上等投資促進事業補助金募集要領」よりご確認ください。
補助金額は500万円を上限とし、事業を実施する上で発生した以下の対象経費のうち、2分の1以内の金額となります。
- 対象機器の購入費
- 機器導入に要する経費(工事費等)
- 専門家派遣に要する経費
詳細:https://www.city.ueda.nagano.jp/soshiki/shoko/66770.html
中野市農業生産等新技術確立事業|中野市
長野県中野市では、新技術を導入し、地域農業の発展に取り組む農業者等に対し「中野市農業生産等新技術確立事業」を通して補助金を交付しています。
この制度の対象となるのは、以下に該当する事業者です。
- 中野市で農業経営改善計画の認定を受けた個人または法人である認定農業者
- 中野市で青年等就農計画の認定を受けた個人または法人である認定新規就農者
上記を満たす場合、以下の事業を実施する際に発生する経費が補助対象として認められます。
- 新商品や新しい製品の導入
- 生産の拡大や品質向上のための新しい技術の導入
- 労力を節約する栽培方法や有機栽培の新技術の導入
- 農産物の付加価値を高めるための新技術の導入
なお、補助対象経費には以下のような費用が挙げられます。
- 新しい商品を導入するための基盤整備や種子や器具の購入費
- 新しい作業方法を確立するための設備や機械の導入や改良にかかる経費
- 農産物の価値を高めるために行う条件整備に必要な経費
- ロボット技術や情報通信技術などの先端技術を活用し、省力または高品質生産を実現するためのスマート農業技術の導入に必要な経費
- 市長が特に必要と認める経費
補助金額については、100万円を上限とし、上記補助対象経費の1/2以内で決定します。
詳細:https://www.city.nakano.nagano.jp/docs/2023053100075/
上田市日本遺産関連事業支援補助金|上田市
長野県上田市では、市の日本遺産の知名度向上および日本遺産の活用による地域の発展を目指し、イベント等の事業や新商品の開発、既存商品の価値向上に取り組む事業者に対し「上田市日本遺産関連事業支援補助金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、以下に該当し、後に挙げる対象事業を実施する事業者です。
- 市内に事業所を有する法人
- 市内に事業所を有する個人事業主
- 市内に居住し、通勤または通学する代表者が構成される団体(日本遺産活用ソフト事業に限る)
対象事業については、以下の3種類があります。なお、他に公的な補助金の交付対象となった事業や特定候補者の選挙活動が目的の事業、目的が宗教的意義を持つ事業については補助対象事業です。
- 日本遺産活用ソフト事業
- 日本遺産関連新商品等開発事業
- 日本遺産を活用した高付加価値化事業
対象事業の詳細や具体例については、公式ページよりご確認ください。
補助率や補助上限額については、それぞれ以下の通りです。
事業 | 補助率 | 補助上限額 |
日本遺産活用ソフト事業 | 補助対象経費の10分の10 | 10万円 |
日本遺産関連新商品等開発事業 | 補助対象経費の10分の5 | 20万円 |
日本遺産を活用した高付加価値化事業 | 補助対象経費の10分の5 | 20万円 |
詳細:https://www.city.ueda.nagano.jp/site/nihonisan/94980.html
佐久市中小企業エネルギーコスト削減助成金|佐久市
長野県佐久市では、原油価格や物価の高騰に対応する市内の中小事業者に対し、省エネルギー性能の高い機器および設備を更新する際の費用について「佐久市中小企業エネルギーコスト削減助成金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、以下のすべてを満たす事業者です。
- 中小企業基本法に定める中小企業者であり、みなし大企業を除く法人または個人事業主で、市内に本店または主たる事務所を有する者
- おおむね5年以上事業を継続する意思があること
- 市税等の滞納がないこと
- 佐久市の暴力団排除条例に規定する暴力団員または関係者ではないこと
- 同一の設備を複数の事業者が共同利用する場合、過去に同様の助成金を受けていないこと
- 更新を試みる設備について、同種の補助制度の交付を受けていないこと
対象となる設備は4つに分類され、それぞれ以下の更新条件を満たしている必要があります。
対象設備 | 更新条件等 |
LED証明 | 既存のLED照明以外の照明器具からの買い換えまたは交換に限る照明器具ごとに交換されるものに限る照明器具の交換に関連する工事等が発生するものに限る自宅兼事務所などの場合は、事業用途に使用されるエリアに設置されるものに限る |
空調設備、ボイラー・給湯設備(設置工事等を伴わない設備を除く) | 事業の目的に供されていると認められるものに限る製造から10年以上経過したものを更新する場合に限る自宅兼事務所などの場合は、事業の目的として使用されるエリアに設置されるものに限る |
業務用冷凍冷蔵設備 | |
産業用動力、変圧器その他事業に必要な設備 |
助成金額は50万円を上限とし、対象設備の購入および設置工事にかかった費用のうち、2分の1以内の額となります。
詳細:https://www.city.saku.nagano.jp/machizukuri/shokogyo/josei_seido/sakushienekosu.html
農業用水の渇水対策事業補助金|飯山市
長野県飯山市では、小雪や小雨の影響による農業用水の渇水に対応するための補助事業を行う事業者に対し、「農業用水の渇水対策事業補助金」を交付しています。
この制度は、市内で水田へのかんがいを目的に利水施設等を管理する区、もしくは公共的団体(用水組合など)が事業を実施する際、発生する以下の経費が補助対象です。
- ポンプ機器類の借上料・消耗品費・燃料費・光熱水費
- 重機・運搬車両等の借上料
- 市長が適当と認めた工事請負費や原材料費
補助金額については、離水施設によってそれぞれ以下のように定められています。(いずれの場合も1,000円未満切り捨て)
- 千曲川から直接取水する揚水施設:対象経費の1/2相当額
- そのほかの利水施設:対象経費の4/5相当額(限度額30万円)
詳細:https://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/nourin/rinmu/55417/55426
介護福祉機器等導入支援事業補助金|飯田市
長野県飯田市では、市内の介護事業所に務める職員の離職防止と負担軽減を目的に、介護福祉機器を導入する事業所に対し「介護福祉機器等導入支援事業補助金」を交付しています。
この制度の対象となる介護福祉機器は、介護事業所が導入する移動や昇降のためのリフトです。なお、補助対象として認められるには、人の移動もしくは移乗のために使うもので、なおかつ導入前に補助金を申請している必要があります。
補助金額は1事業所あたり40万円を上限とし、対象機器の導入に係る2分の1以内で決定します。申請は1事業所につき1回まで可能で、他の補助金の交付対象として支援を受けている場合はその額を除いた経費に対して交付されます。
参照:https://www.city.iida.lg.jp/soshiki/14/kensyusien20304.html
飯山市小型除雪機等購入補助金|飯山市
長野県飯山市では、市内の除雪事業への協力者や区の負担を軽減するため、小型除雪機等を導入する方に対して「飯山市小型除雪機等購入補助金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、以下に該当する方です。
- 市の除雪事業に参加または今後参加予定の方で、かつ補助を受けてから3年間の事業協力に自信のある方
- 飯山市内の区(集落)
上記の方が補助金を受給するためには、以下の要件を満たしていることが求められます。
- 市内に住所を有し、雪かき支援事業、高齢者等玄関先除雪事業、スクラム除雪事業、歩道確保除雪事業に登録済み、もしくは今後登録予定のある方(または区である方)
- 除雪機の購入にあたり、市内に本店または支店を有する事業所からの購入であること
- 除雪機の購入前に申請を行うこと
- 申請者が以前にこの補助金を受け取ったことがないこと
- 市税の支払いが滞っていないこと(個人の場合)
これらの要件に該当する場合、以下の機械を導入する際に一定の割合で補助金が交付されます。
- 小型除雪機(ロータリー除雪機に限る)
- 農耕用機械に接続するための除雪用アタッチメント
※ただし、購入費用が5万円以上で、中古品を含めるものとする。
補助率・補助金上限額については以下の通りです。
対象者 | 補助率 | 補助金上限額 |
市の除雪事業に協力する方 | 機械購入費用の1/10 | 100,000円 |
飯山市内の方 | 機械購入費用の1/10 | 300,000円 |
詳細:https://www.city.iiyama.nagano.jp/soshiki/kikikanribousai/bousaisyoubou/information/jyosetukihojyo
電気自動車用充電インフラ整備促進補助金
長野県の電気自動車用充電インフラ整備促進補助金は、2025ゼロカーボンを実現することを目指し、電気自動車の充電設備を設置する事業者に対して一定の割合で費用を補助する制度です。
この制度の対象となるのは、経済産業省が提供する「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」の交付が決定した方です。なお、補助対象となる設備は以下の3つの要件があります。
- 急速充電設備または蓄電池付き急速充電設備であること
- 新規設置または入れ替え設置する設備であること
- 国の補助金対象として承認された機種であること
補助対象経費は事業内容によって異なり、それぞれ以下の通りです。
- 道の駅への充電設備設置事業(経路充電):国の補助金対象である高速道路のSA・PAや道の駅などへの充電設備設置事業(経路充電)で、道の駅に設置するものと同じであること
- 空白地域への充電設備設置事業(経路充電):国の補助金の対象となる、高速道路のSA・PAや道の駅などへの充電設備設置事業(経路充電)で、公道または空白地域に設置するものと同じであること
- 観光地の拠点への充電設備設置事業(目的地充電:国の補助金の対象となる、商業施設や宿泊施設などへの充電設備設置事業(目的地充電)と同じであること
補助率・補助上限額については、対象事業によって以下のように定められています。
補助対象事業 | 補助対象者 | 補助率 | 補助上限額 |
道の駅への充電設備設置事業(経路充電) | 法人もしくは個人 | 新規設置:2分の1以内入替設置:3分の1以内 | 新規設置:150万円入替設置:100万円 |
地方公共団体 | 新規設置:3分の1以内入替設置:4分の1以内 | ||
空白地域への充電設備設置事業(経路充電) | 法人もしくは個人 | 新規設置:2分の1以内入替設置:3分の1以内 | |
地方公共団体 | 新規設置:3分の1以内入替設置:4分の1以内 | ||
観光地の拠点への充電設備設置事業(目的地充電) | 法人もしくは個人 | 新規設置:2分の1以内入替設置:3分の1以内 | |
地方公共団体 | 新規設置:3分の1以内入替設置:4分の1以内 |
詳細:https://www.pref.nagano.lg.jp/zerocarbon/inhurahozyokin.html
商店街ソーシャル・ビジネス創業支援事業
商店街ソーシャル・ビジネス創業支援事業では、長野県で地域の課題を解決するため、ソーシャル・イノベーションによる創業を通して振興に取り組む事業を行う事業者に対し、補助金を交付しています。
この制度の対象となるのは、以下のすべてを満たす事業者です。
- 令和6年4月1日から令和7年1月31日までに、個人事業の開業届を提出する者、または株式会社、合同会社、合名会社、合資会社、企業組合、協業組合、一般社団法人、特定非営利活動法人等を設立するか、事業承継・第二創業を行い、その代表となる者であること
- 長野県内に居住しているか、令和7年1月31日までに長野県内に居住予定であること
- 法人の登記または個人事業の開業届を長野県内で行うこと
- 法令順守上の問題がないこと
- 申請者または設立される法人の役員が、暴力団等の反社会勢力または反社会勢力との関係者ではないこと
上記の事業者は、指定の社会分野における地域課題の解決を目的とした事業で、かつ令和6年4月1日から令和7年1月31日まで(または令和6年4月1日から令和7年1月31日までにsociety5.0関連業種で事業承継もしくは第二創業する事業)に長野県内で新たに創業する事業である場合、補助金の交付対象として認められます。
補助金額については、200万円を上限とし、2分の1以下の補助率で決定します。
詳細:https://www.pref.nagano.lg.jp/sansei/sangyo/syoutengai/socialbusiness.html
まとめ
回は、長野県で個人事業主や法人が利用できる補助金制度について紹介しました。
新たに創業する事業者向けのものから、地域の課題を解決する取り組みを支援するものまで、多種多様な補助金が提供されています。
複数の制度を十分に比較・検討し、自社に合った補助金を活用していきましょう。補助金制度を賢く利用することは、事業の発展や地域貢献につながります。