「茨城県で利用できる補助金制度を知りたい」「補助金を活用して経費負担を減らせないか考えている」という事業者の方は多いのではないでしょうか。
今回は、茨城県で中小企業や個人事業主が利用できる補助金について、計10種類の制度を紹介します。
補助金の具体的な内容や利用条件について知りたい方は、ぜひ記事で紹介する制度を参考にしてください。
令和6年度笠間市創業支援事業|笠間市
茨城県笠間市では、市内の経済発展を目指して新たに事業を立ち上げる事業者を対象とし、予算の範囲内で新築・改装等の工事費や設備費用、販売促進に係る経費に対する補助を受けられます。
この制度の対象となるのは、笠間市へ納付義務のある税金について未納がなく、以下すべての条件を満たす事業者です。
- 当該年度内に店舗の新築または空き店舗等(3か月以上使用されていない店舗等、または建築後1年以上経過している施設)を利用した創業もしくは第二創業を行う者
- 指定された業種に該当する者
- 補助対象となる経費が、市が実施する他制度による補助を受けていない者
項目2つ目の指定業種については、以下の表をご覧ください。
業種 | 業種区分 |
小売業 | 各種商品小売業 織物・衣類・身の回り品小売業 飲食料品小売業 機械器具小売業 その他の小売業 |
飲食サービス業 | 飲食店持ち帰り・配達飲食サービス業 |
生活関連サービス業 | 洗濯・理容・美容・浴場業 その他の生活関連サービス業 |
補助対象となる事業の要件として、上記の表に該当する事業を営み、なおかつ3年以上の継続が見込まれること、年間200日以上開業しかつ1日あたり3時間以上営業を行うことが求められます。
補助額については、50万円を上限に対象事業費の2分の1以内で決定します。補助対象経費は新築・改装等の工事費、店舗等の購入費、設備費(パソコンなどの備品類は対象外)、その他市長が特に必要と認めた経費が挙げられます。
詳細:https://www.city.kasama.lg.jp/page/page012307.html
創業支援促進事業補助金|ひたちなか市
茨城県ひたちなか市では、地域経済の発展と雇用機会の創出を目指し、市内の創業者が利用できる補助金制度を提供しています。
この制度の対象となるのは、以下の全てに該当する事業者です。
- ひたちなか市内で創業し、2年以内の個人又は法人である
- 市内に主たる事業所、もしくは本店を設置する個人または法人である
- ひたちなか市の特定創業支援等事業を修了しており、なおかつ申請日時点で修了後5年を経過していない
特定創業支援等事業とは、ひたちなか市が連携した事業者が、創業に必要な4つの知識(経営・財務・販路拡大・人材育成)をスクールや面談を通して提供することです。課程を修了すると証明書が発行され、登録免許税が軽減されるといったメリットを享受できます。
補助対象経費には、以下に該当する令和6年5月1日から令和7年2月28日までに発生した経費が該当します。
- 創業に伴い官公庁へ提出する書類の作成に要する経費
- 設立登記に要する経費
- 事業承継に係る仲介手数料
- 内外装工事費
- 賃借料
- 設備費
- 備品購入費
- 広告宣伝費
- マーケティング費
注意点として、公式サイトにも記載があるように経費の内容によって対象外となる可能性もあるため、不安な場合はひたちなか市商工振興課へ相談すると安心です。
補助額については、上限額を30万円として対象経費の1/2以内で決定します。なお、算出の際は消費税額控除後の金額が対象となります。
詳細:https://www.city.hitachinaka.lg.jp/business/chushokigyo/1013853.html
つくば市安心住宅リフォーム支援補助金|つくば市
茨城県つくば市では、安心して暮らせる住まいを維持・向上し、地域経済の発展を目指すために住宅リフォームにかかる費用の一部を補助する取り組みを行っています。
令和6年度は2期に分けて募集があり、それぞれの期間は以下の通りです。
- 第1期:令和6年(2024年)5月9日(木)から令和6年(2024年)7月31日(水)まで ※受付終了
- 第2期:令和6年(2024年)8月1日(木)から令和6年(2024年)11月29日(金)まで
この補助金は以下のすべてに該当する方が対象となります。
- 市内に対象の物件を所有しており、その物件に居住中である
- 市内に住民登録をしている
- 市税の滞納がない
- 過去に同じ補助金を受けたことがない
補助対象の住宅は、居住用部分を持つ既存建築物のうち、以下すべてを満たす住宅が該当します。
- 市内に所在すること
- 昭和56年6月1日以後に建築確認を受けた住宅
- 昭和56年6月1日より前に建築確認を受けた住宅の場合、木造住宅耐震診断などにより耐震性が確保されていることが証明できる住宅
- 不動産業を営む者、またはこれに類する者が所有する住宅(自己の居住のための住宅を除く)でないこと
- この補助金の交付決定を受けてリフォームを行ったことがない住宅
加えて、以下それぞれの要件を満たす法人・個人事業者と請負契約を交わして行うリフォーム工事が対象です。
事業者 | 要件 |
法人 | 市内に本店を有する建設業法の規定により建設業の許可を受けている |
個人事業者 | 市内に住所を有するリフォームの施工に係る実務経験を原則として10年以上有する |
上記の要件を満たすことで補助対象となり、税込50万円以上のリフォーム工事に対し、工事費用の総額のうち10分の1の補助を受けられます。(上限は10万円)
詳細:https://www.city.tsukuba.lg.jp/kurashi/oshirase/13800.html
東海村省エネルギー設備設置費補助金|東海村
茨城県東海村では、既に建築されている戸建て住宅に高断熱材を設置し、省エネや脱炭素化に取り組むための補助制度を行っています。
この制度の対象となるのは、村内の戸建て住宅に住んでおり、かつ村税の滞納がなく以下すべての要件を満たす方です。
- 次のいずれかの方法で主たる居室(日常生活上在室時間が長い居室等)の全ての窓(外気に接しない窓を除く)に高断熱窓を設置する。
- 内窓設置(既存の窓の内側に新しい窓を設置する方法)
- 外窓交換(既存の窓を撤去し、新しい窓に交換する方法)
- ガラス交換(既存のサッシを利用して、ガラスを交換する方法)
- 申請年度の年度末(3月末)までに設置を完了できる。
- 設置する高断熱窓が過去に高断熱窓の設置に係る補助金(国補助金、本補助金を含む)の交付を受けていない・受ける見込みがないこと(生計を共にしている方を含む)
引用:令和6年度 既存住宅に高断熱窓を設置する方へ補助金を交付します
上記の要件を満たすことで、上限を10万円とし、高断熱窓の設置にかかる経費の合計額(税込)の2分の1を補助してもらえます。
なお、同一住宅で補助金を受け取れるのは1回のみとなり、複数回の利用は対象外となるため注意してください。また、高断熱窓の設置後に申請すると補助対象外になってしまうため、必ず設置前の申請が必要です。
詳細:https://www.vill.tokai.ibaraki.jp/soshikikarasagasu/somminseikatsubu/kankyoseisakuka/1/2/2/9094.html
良質堆肥広域流通促進事業(堆肥等利用集団の取組支援)|かすみがうら市
茨城県かすみがうら市では、堆肥の広い流通を目的とした「良質堆肥広域流通促進事業」に取り組んでいます。
堆肥等利用集団の取組支援では、霞ヶ浦流域内畜産農家1戸以上、耕種農家2戸以上の堆肥等利用集団が利用でき、対象事業にかかった経費の一部に対する補助を受けられます。
対象事業は計3つに分類され、以下の通りです。
- 堆肥等利用実証ほ設置
- 堆肥等輸送
- 堆肥等散布機の導入
堆肥等利用実証ほ設置については、堆肥等を散布した面積や量に合わせて補助額が決まります。詳しくは、以下の表をご覧ください。
作付作物 | 堆肥施用量 | 液状肥料施用量 | 補助額 |
水稲(食用米) | 100キログラム以上 1t未満 | 1t以上4t未満 | 3,000円/10a |
1t以上 | 4t以上 | 6,000円/10a | |
水稲以外 | 400キログラム以上 1t未満 | 400キログラム以上 4t未満 | 3,000円/10a |
1t以上 | 4t以上 | 6,000円/10a |
また、堆肥等輸送にかかった経費については、運搬距離に合わせた補助額が決まります。こちらについても、以下の表にまとめました。
運送距離 | 補助額 |
往復50キロメートル未満 | 850円/t |
往復50キロメートル以上100km未満 | 1,700円/t |
往復100キロメートル以上 | 2,500円/t |
そして、堆肥等散布機の導入時に補助金を受け取れるのは、上記の「堆肥等利用実証ほ設置」もしくは「堆肥等輸送」を実施する場合に限り、1/2以内で補助率が決定します。
詳細:https://www.city.kasumigaura.lg.jp/page/page016534.html
良質堆肥広域流通促進事業(家畜排せつ物処理施設等への整備補助)|かすみがうら市
茨城県かすみがうら市の良質堆肥広域流通促進事業では、堆肥等利用集団の取組支援のほか、家畜排泄物を適切に処理すること、質の高い堆肥を生産することを目的とした「家畜排せつ物処理施設等への整備補助」を行っています。
家畜排せつ物処理施設等への整備補助では、霞ヶ浦流域内に農場を持つ畜産農家を対象に、以下の設備を導入した際にかかった費用の1/2以内が補助されます。
- 家畜排せつ物の堆肥化に取り組む施設
- 堆肥処理に必要となる機械(攪拌装置、送風装置等)
- 養豚農家汚水を簡易ばっ気を含む活性汚泥法で処理する施設
- 汚水処理に必要となる機械(固液分離機、ばっ気装置等)
- 養豚農家の処理水を保管するための施設等
詳細:https://www.city.kasumigaura.lg.jp/page/page016533.html
危険ブロック塀等安全対策補助金|古河市
茨城県古河市では、通学路や古河市地域防災計画に定める緊急輸送道路の通行人にとって危険と見なされる危険ブロックを撤去する際、撤去費用の一部を補助してもらえます。
以下のすべてを満たすブロック塀を「危険ブロック塀」と判断し、撤去の際の補助金受給対象となります。
- 古河市の区域内に存すること
- 道路面からの高さが80センチメートルを超えるものであること
- 建築基準法第9条第1項(違反是正措置)又は第7項(使用禁止または使用制限)の規定による命令を受けていないこと
- 不動産販売等を目的とした土地に存するものでないこと
- 既に補助金の交付の対象となった危険ブロック塀等が存していた敷地内に存するものでないこと
- 交付決定前に工事に着手していないこと
- 12月28日までに工事を完了できるもの
なお、施工事業者の要件は、建設業法で定められた建設業者もしくは建設リサイクル法で定められた解体工事業者であること、かつ古河市内に本店・支店・営業所のいずれかを持っていることです。
この制度では、10万円を限度額として補助対象経費の3分の2、もしくは「延長×10,000円」の金額のうち、もっとも低い金額が補助金として交付されます。
詳細:https://www.city.ibaraki-koga.lg.jp/soshiki/kenchiku/1/14825.html
中小企業事業活性化補助金|ひたちなか市
茨城県ひたちなか市では、市内に事業所を持つ中小企業者および小規模企業者が利用できる中小企業事業活性化補助金を提供しています。
この制度は以下4つの区分に分かれており、それぞれの事業で年1回まで申請可能です。
- 新製品等開発事業
- ビジネスマッチング事業
- 技能訓練実施事業
- 人材確保推進事業
各区分について、簡単にまとめた以下の表をご覧ください。
区分 | 補助対象 | 補助上限額・補助率 |
新製品等開発事業 | 新製品・新技術等の開発に係る以下の経費 ・人件費・謝金・旅費・研究開発事業費・事務費・委託費・産業財産権取得費・その他補助事業実施に必要と認められる経費 | 一般型の場合:1,000,000円IoT・AI活用型の場合:2,000,000円(補助率は一律で2分の1) |
ビジネスマッチング事業 | 見本市等の出展や自社ホームページの新規作成に係る以下の経費 ・出展費・会場設営費・旅費・出展運搬費・資料作成費等・ホームページ等の新規作成又はリニューアル委託料・その他補助事業の実施に必要と認められる経費 | 国内出展の場合:300,000円国外出展の場合:500,000円自社ホームページ新規作成・リニューアルの場合:150,000円(補助率は一律で2分の1) ※複数事業を行う場合、上限額が高い類型を適用 |
技能訓練実施事業 | 技能訓練の実施に係る以下の経費 ・資格取得費(検定等の受検料および練習用材料費等)・講座・研修受講料・その他補助事業の実施に必要と認められる経費 | 上限額:100,000円補助率:2分の1 |
人材確保推進事業 | 就職イベントへの参加や広報媒体の作成、求人情報サイトの新規活用などに係る以下の経費(事業の対象として明確に区分できるもの) ・出展費・会場設営費・旅費・委託費・事務費・その他補助事業の実施に必要と認められる経費 | 上限額:200,000円補助率:2分の1 |
詳細:https://www.city.hitachinaka.lg.jp/business/sangyo/1007213/1002761.html
産産連携支援補助金|つくば市
茨城県つくば市では、市内事業者の連携による新たな事業の創出を目指し、事業の連携にかかる費用の一部を補助する「産産連携支援補助金」の利用者を募集しています。
この制度の対象となるのは、市内に本店または店舗を持つ法人、もしくは市内に住所または事業所を持つ個人で、いずれの中小企業者も以下の項目を全て満たしている必要があります。
- 申請する事業連携において、本補助金を受けていないこと
- つくば市内の中小企業者等2者以上で事業連携を実施すること
- 申請日時点で事業連携する全ての中小企業者等が1年以上操業していること
- 事業連携を行う中小企業者等の代表者がそれぞれ異なること
- 申請者は同一年度において本補助金を申請していないこと
- 市税の滞納がないこと
- 市ホームページにおいて事業連携結果を公開することに同意すること
引用:産産連携支援補助金
なお、補助対象となる経費は「印刷製本費」「広告掲載費」「講師・専門家等への謝礼及び交通費」の3つがあります。これらの経費が補助対象として認められるには、継続的な連携を目的とした事業のための経費であり、申請年度の3月20日までに支払いを完了していることが条件です。
ただし、上記の経費が現金払い・小切手または手形払い・クレジットカードまたは電子商取引払いのいずれかの方法で支払われた場合、補助の対象外となるため注意してください。
補助金額については、200,000円を限度額とし、5/10の補助率(事業連携者数×50,000円)で計算します。
詳細:https://www.city.tsukuba.lg.jp/soshikikarasagasu/keizaibusangyoshinkoka/gyomuannai/3/2/2/20121.html
省力化・グリーン化同時実現型資材活用推進事業
茨城県では、農作業の省力化や環境負荷の軽減を目指し、生分解性マルチを利用する認定農業者増加のための取り組みとして省力化・グリーン化同時実現型資材活用推進事業を行っています。
この補助制度の対象となるのは、以下のいずれかに該当する方です。
- 認定農業者
- 認定新規就農者
- 市町村基本構想水準到達者
- 地域計画に位置付けられた農業者
- 集落営農組織、特定農業団体
また、交付されるための要件として、以下2つの項目に該当する必要があります。
- 生分解性マルチを活用し、回収労力の低減やプラスチックの排出削減を図ること(すでに活用している場合は、生分解性マルチの導入面積の拡大分が補助対象)
- 令和7年2月28 日までに納品が完了し、なおおかつ令和7年12月10日までに事業の実施状況を報告すること
補助単価は生分解性マルチ1mあたり15円で、令和6年4月1日以降に発注したものが対象です。
詳細:https://va.apollon.nta.co.jp/r6_shoryoku-green_ibaraki/
まとめ
今回は、茨城県で中小企業や個人が利用できる補助金について解説しました。茨城県内だけでも数多くの制度が存在するため、自社にとって役立つ補助制度の活用を検討することが大切です。
本記事で紹介した内容を参考にしながら、適切な制度を選んで申請の準備を進めてはいかがでしょうか。