「北海道で利用可能な補助金制度について詳しく知りたい」「補助金の活用で事業の経費を削減できたらいいな」と考えている事業者の方は多いでしょう。
今回は、北海道で中小企業や個人事業主が活用できる補助金制度を10種類紹介します。各補助金の内容や申請条件についても詳しく説明していますので、利用する補助金選びの参考にしてください。
住環境ゼロカーボン化推進事業補助制度|紋別市
北海道紋別市では、省エネルギー化や低炭素化を目指すための住環境整備に取り組む際、改修工事に係る費用に対し「住環境ゼロカーボン化推進事業補助金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、以下に該当する方です。
- 紋別市民または転入予定者であること
- 空き家を含む紋別市内に所有する住宅に居住または居住予定であること(実績報告前に住所変更を行うこと)
- 補助対象建築物に3年以上居住すること
- 市税などの支払いが滞っていないこと
- 市の条例に基づいて暴力団員と認定されていないこと
対象物件は以下を満たすものとし、同一住宅の申請は1回までとなります。
- 建設は原則昭和56年6月1日以降に行われていること
- 補助対象となるのは、居住に供する部分や家屋(ただし省エネ改修に限る)
- 建築確認済証が交付されていること
※当市の補助金との併用が可能
補助金額は事業内容によって異なり、それぞれ以下の通りです。
対象事業 | 内容 | 補助内容 |
省エネルギー改修工事 | 窓の交換・設置 玄関ドアの交換・設置 断熱材の交換・設置 高効率設備の導入 | 対象経費の1/2(上限額50万円 ) |
再エネルギー等の導入 | 太陽光発電設備及び定置用蓄電池の導入 | 対象経費の1/2 (上限額30万円) |
エアコン交換・設置加算 | 省エネ改修工事をした場合に限る | 対象工事の1/2 (上限額20万円) ※子育て加算:上限額30万円 |
詳細:https://mombetsu.jp/news/detail.html?content=1465
むかわ町起業力耕上促進事業|むかわ町
北海道むかわ町では、町内の特色や地域資源を活用し、新たな事業に取り組む事業者に補助金を交付しています。
補助対象となるのは、以下の要件を満たす事業者です。
- 申請日または起業日に、以下のいずれかに該当すること
- 町の住民基本台帳に登録された個人が個人事業主として事業を行っている
- 町内に本拠を置き、主な事業を町内で展開している法人である
- 町税やその他の収入に対する未納がない個人事業主や法人
- 町からの経費補助や申請事業に関連する補助金を受け取っていない個人事業主や法人
なお、以下のいずれかに該当する場合は補助対象外となります。
- 法的規制がかけられたり、許認可に係る期間等に課題を有する事業
- 農業、林業、漁業、金融業、保険業、貸金業、公務及びこれに類する事業
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律等に関する法律第2条に規定する営業
- 宗教活動又は政治活動を目的とした事業
- 公序良俗に反する事業又は違法な行為を行う事業
- むかわ町暴力段排除の推進に関する条例(平成24年条例第24号)第2条第2条に規定する暴力団員又は同条第1号に該当する暴力団若しくは同条第3号に該当する暴力団関係事業者が営む事業
- その他町長が不適切と認める事業
上記をクリアする補助対象事業者が指定の事業に取り組み、発生する以下の経費について一定の割合で補助を受けられます。
- マーケティング調査
- アドバイザー支援
- 申請書類作成等
- 店舗等借入費
- 設備費
- 原材料費
- 知的財産権等関連経費
- 旅費
- 広報費
- 外注費
詳しい経費項目は「むかわ町起業力耕上促進事業補助要綱」をご覧ください。
補助金額は事業によって異なり、それぞれ以下の通りです。
事業 | 補助率 | 補助上限額 |
新規企業 | 対象経費の全額 | 200万円以内 ※加算対象要件を満たす場合、100万円加算 |
新規事業参入新商品開発販売促進販路拡大 | 対象経費の1/2 | 150万円以内 ※加算対象要件を満たす場合、100万円加算 |
詳細:http://www.town.mukawa.lg.jp/3452.htm
苫小牧イノベーション活性化事業|苫小牧市
北海道苫小牧市では、市内で先進技術や新しいアイデアを取り入れ、課題解決や新規事業の創出、共同研究に取り組む事業者に補助金を交付しています。
この制度は、以下の要件を満たしている事業者が対象です。
- 市内に事業所を有すること
- 市税の滞納がないこと
- 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(昭和23年法律第122号)第2条に規定する風俗営業以外の営業に従事していること
- 事業主又は役員が、暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律(平成3年法律第77号)第2条第6号に規定する暴力団員でないこと
- その他市長が補助対象者として不適当と認める事項がないこと
対象事業者が以下の事業を実施する際、発生する経費(物品費・使用料・交通費・消耗品費・外注費・委託費・印刷製本費)に対し一定の割合で補助金が交付されます。
- 新しい製品、技術、またはサービスの開発(改善を含む)
- 製品などの新しい生産方法の開発(改善を含む)
- 製品やサービスの新しい提供方法の構築(改善を含む)
- その他、市長が産業振興に寄与すると認める取り組み
補助金額は200万円を上限とし、中小企業等については対象経費の3/4、大企業については対象経費の2/3の補助率で交付額が決定します。なお、中小企業等とは以下の表に該当する事業者を指し、その他の法人は大企業としてみなされます。
業種 | 以下いずれかを満たすこと | |
資本金の額または出資総額 | 常時使用する従業員の数 | |
製造業、建設業、運輸業、以下を除くその他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
詳細:https://www.city.tomakomai.hokkaido.jp/kanko/kosho/rodokoyo/kogyosinko/inv06.html
社宅建設等支援事業補助金|室蘭市
北海道室蘭市では、人材確保のために社宅や寮といった住環境整備を行う市内の事業者に対して「社宅建設等支援事業補助金」を交付しています。
この制度は、室蘭市内に社宅を新しく取得する、もしくは賃借する中小企業者等が対象です。(全業種が対象)
なお、交付対象となる社宅等は以下のすべてを満たしている必要があります。
- 新規に取得または賃借し、8戸以上の住戸で構成されている建物であること
- 賃借する場合は、10年以上の賃貸契約を結んでいること
- 補助金を受け取った日からの5年以上の期間にわたり、社宅などとして利用されること
補助金額は1,000万円を限度額とし、社宅などが事業目的で利用された後に、初めて固定資産税などが課税される基準年度において、固定資産評価額の10/100未満で決定します。
詳細:https://www.city.muroran.lg.jp/main/org6200/images/syataku.html
函館市LPガス利用者負担軽減支援事業|函館市
北海道函館市では、LPガス料金高騰による影響を受ける方の負担軽減を目的に、北海道における支援対象外とされる工業用利用者に対して支援を行っています。
この制度の対象となるのは、以下のいずれにも該当する工業用利用者です。
- 高圧ガス保安法の対象となる工業用の LP ガスを利用する方
- 函館市内を利用地として契約している方
なお、屋外で移動して消費するための質量販売を行う場合や、北海道の緊急支援事業における対象者となる一般消費者等は支援の対象外となります。
支援金額は1契約あたり10万円を上限とし、令和5年11月検針分から令和6年6月検針分において、消費税相当額を含む最も高い金額です。なお、最も高い金額が2千円以下となる場合、2千円が支援金額となります。
詳細:https://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2023090500029/#p1
文化・芸術活動等助成事業|標津町
北海道標津町では、町民の創意工夫によって企画・運営が行われるイベントを開催する際に、一定の割合で助成金を交付しています。
この制度は、以下5つの活動内容によって補助内容が異なります。
- サークル等スタートアップ事業
- 講演会開催事業
- 青少年団体研修等支援事業
- 舞台芸術鑑賞会開催事業
- 展示会開催事業
それぞれの事業における補助内容について、見ていきましょう。
詳細:https://www.shibetsutown.jp/education/asuparu/bunkageizyutsuzyosei/
サークル等スタートアップ事業
サークル等スタートアップ事業は、新しいサークルを設立したり、既存のサークルを拡大したりといった計画を持つ人が、入会者を集めるために体験会などのイベントを行う際、発生した経費の100%まで助成するものです。
以下の対象経費が発生した場合、補助上限額を5万円として助成を受けられます。
- チラシ印刷費
- 体験用消耗品費
- 会場使用料等
なお、同一団体への助成は年1回までです。
講演会開催事業
講演会開催事業は、広い町民等を対象とした講演会を開催する際に、経費の80%まで助成するものです。
以下の対象経費について、聴講者数に応じて最大20万円の助成を受けられます。
- 講師謝金
- 講師旅費
- チラシ印刷費、
- 会場使用料等
なお、同じ講師の招へいは、実施団体を問わず3年に1回のみです。
青少年団体研修等支援事業
青少年団体研修等支援事業では、特定の団体(中学生以上40歳未満の構成員が9割を占める)が、所属する会員を対象とした研修会を開催して外部講師を招へいする場合や、先進地の視察を行う場合に助成を行います。
補助率・補助上限額については以下の通りです。
補助率 | 補助上限額 | |
研修会開催 | 100%以内 | 15万円 |
先進地視察 | 80%以内 | 25万円 |
なお、対象となる経費は以下の4つがあります。
- 講師謝金
- 講師旅費
- 視察旅費
- 会場使用料等
舞台芸術鑑賞会開催事業
舞台芸術鑑賞会開催事業は、演奏会や演劇といった舞台芸術鑑賞会や、それらに付帯して行うイベントを開催する場合、経費の80%以内で助成するものです。
以下の対象経費について、聴講者数に応じた補助金額(上限100万円)が交付されます。
- 演者謝金
- 演者旅費
- チラシ印刷費
- 会場使用料等
なお、同じもしくは類似の演者を招へいして行う場合、実施団体を問わず3年に1回のみ対象となります。
展示会開催事業
展示会開催事業は、美術作品や文化財などの展示会や、それらに付帯するイベントを開催する際に経費の80%以内で助成するものです。
以下の対象経費について、鑑賞者数に応じた最大100万円が交付されます。
- 展示品輸送費
- 会場使用料
- チラシ印刷費等
なお、同種の展示会を開催する場合、実施団体を問わず3年に1回のみの交付となります。
うたしない企業の笑顔応援補助金|歌志内市
北海道歌志内市では、地域の経済と雇用に貢献する市内の中小企業者等を対象に「うたしない企業の笑顔応援補助金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、市内に主とする事務所を持ち、以下に該当する中小企業者等です。
- 設備の更新などを行う物品の所有者または使用者であること
- 地域産業の振興を目的とする事業の実施主体として市長が適当と認めた者であること
助成率は対象経費の2/3以内とし、それぞれ対象経費について以下の上限額が設けられています。
- 機械設備等の更新・購入費用:30万円
- 備品等の更新・購入費用:20万円
- そのほか、対象経費と認められるもの:20万円
詳細:https://www.city.utashinai.hokkaido.jp/hotnews/detail/00004110.html
旭川市地域エネルギー設備等導入促進事業補助金|旭川町
北海道旭川町では、市民もしくは市内の事業者が再生可能エネルギー設備等を住宅もしくは事業所に導入する際に「旭川市地域エネルギー設備等導入促進事業補助金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、以下のいずれかを満たす方です。
- 個人:旭川市の住民基本台帳に登録されている方、または市内に居住予定の方
- 事業者:旭川市内で事業活動を行っている中小企業、組合、法人、または個人事業主
補助対象者が対象設備を導入する際の補助率・補助上限額については、以下の通りです。
補助対象設備 | 補助対象機器 | 補助率・補助上限額 |
地中熱ヒートポンプ | 地中熱ヒートポンプ地中熱交換器循環ポンプ膨張タンク | 10分の1(上限10万円) |
太陽光発電設備 | 太陽電池モジュールパワーコンディショナ接続箱直流側開閉器交流側開閉器モニター機器ケーブル | 10分の1(上限10万円) |
定置用リチウムイオン蓄電池 | 蓄電池本体電力変換装置(インバータ、コンバータ、パワーコンディショナ等)リモコンケーブル | 10分の1(上限10万円) |
燃料電池システム(エネファーム) | 燃料電池ユニット貯湯ユニット熱源機リモコン | 10分の1(上限10万円) |
ガスエンジンコージェネレーション(コレモ) | ガスエンジン発電ユニットインターフェースユニット電源切替ユニットリモコン | 10分の1(上限5万円) |
詳細:https://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/kurashi/271/290/291/p005154.html
網走市地場産品生産性向上設備整備事業補助金|網走市
北海道網走市では、市内の事業者が経営基盤を強化して地域経済の発展に取り組む際、地場産品の生産性向上を目的とした設備を導入する場合に「網走市地場産品生産性向上設備整備事業補助金」を交付しています。
この制度の対象となるのは、網走市ふるさと寄附の返礼品を提供する事業者、または返礼品提供の予定がある事業者で、かつ以下のすべてを満たす事業者です。
- 市内の工場、営業所、事務所などで事業を営む者
- 市税を滞納していない者
- 網走市暴力団排除条例に規定された暴力団関係事業者でない者
上記に該当する事業者は、消費税および地方消費税に係る仕入れ控除税額を差し引き、次の経費を合計して500千円以上となるものを対象に補助金が交付されます。
- 地場産品の生産や加工に必要な施設や設備の整備費
- 地場産品の生産や加工に必要な機械や器具の購入費
補助金額については、1億円を上限として補助対象経費の10分の2以内で決定します。
詳細:https://www.city.abashiri.hokkaido.jp/soshiki/18/2420.html
北海道特別高圧電力利用事業者緊急支援金
北海道特別高圧電力利用事業者緊急支援金は、北海道内で特別高圧電力を利用し、以下のいずれかを満たす中小企業者が利用できます。(みなし大企業を除く)
- 特別高圧電力の受電契約を結んでいること
- 特別高圧電力を受電している施設内で電気を使用していること
なお、以下のA・Bいずれかに該当する事業者が中小企業者として認められます。
業種 | A:資本金の額または出資総額 | B:常時使用する従業員数 |
製造業・建設業・運輸業・以下を除くその他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
卸売業 | 1億円以下 | 100人以下 |
サービス業 | 5,000万円以下 | 100人以下 |
小売業 | 5,000万円以下 | 50人以下 |
支援金額は2023年10月〜2024年5月利用分までで上限を100万円とし、対象期間に応じた以下の単位で決定します。
- 2024年1月から2024年4月利用分:1.8円/kwh
- 2024年5月利用分:0.9円/kwh
詳細:https://tokubetsu-kouatsu-hkd2023.jp/
まとめ
今回は、北海道で個人事業主や中小企業が活用できる補助金について、計10種類の制度を紹介しました。記事で紹介したものの中でも、制度によって補助内容が大きく異なるため、補助金の利用を検討している方は事前に補助内容をよく確認し、適切な制度を活用することが欠かせません。
自身や自社にとって役立つ補助制度を選び、申請準備を進めていきましょう。