「福岡県で使える補助金を知りたい」「補助金を活用して事業にかかるコストを減らしたい」と悩む方も多いのではないでしょうか。
今回は、福岡県で中小企業や個人事業主が利用できる補助金制度を紹介します。計10種類の制度について内容を解説しますので、補助金を効果的に使い、事業目標を達成していきたいと考えている方はぜひ参考にしてください。
福岡市次世代自動車の普及に向けた支援事業(充電設備)補助金|福岡市
福岡市では、電気自動車の普及を促進し、地球温暖化対策を推進するため、電気自動車用充電設備の設置にかかる経費の一部を補助しています。
この制度の対象となるのは、以下の要件をすべて満たす方です。
- 市税および延滞金等に滞納がないこと
- 福岡市内の駐車場などを所有または管理している者、もしくは所有者から設置や管理の許可を得た者であること
- 分譲集合住宅の場合、管理組合または管理組合から設置や管理の許可を得た者であること(なお、新築の分譲集合住宅で管理組合が未設立の場合、建築主または建築主から設置や管理の許可を得た者が対象となり、対象者は管理組合設立に関する計画書を提出する必要がある)
- 暴力団やその構成員と密接な関係を持たない者であること
充電設備の補助要件として、以下に挙げる共通要件に加え、各設備に応じたそれぞれの要件が定められています。
【共通の設備要件】
- 新規購入の充電設備であること(ただし、中古品は対象外)
- 一般社団法人次世代自動車振興センターによる令和5年度補正「クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた充電・充てんインフラ等導入促進補助金」において、補助対象として指定された充電設備であること
- 福岡市内に設置されること
- リースの場合、リース期間が要綱第19条で規定される処分制限期間以上であること。また、補助金はリース会社に交付されるため、補助金相当額を反映したリース料金を設定すること。(補助対象設備の支払方法として、手形やローンによる支払を条件とする場合、補助金交付の対象外とする)
【設備別の要件】
対象設備 | 要件 |
急速充電設備(広く市民等が利用できる公共の充電設備) | 申請者が自動車販売店である場合、充電設備は新設または増設するものであること同一駐車場内に複数の充電設備を設置する場合でも、補助対象となるのは1基のみただし、駐車スペースが20台以上ある場合は、最大2基まで補助対象として認める |
普通充電設備等(専ら集合住宅の居住者が使用する充電設備) | 集合住宅の共用部または居住者専用駐車場に設置される充電設備であること設置にかかる費用を設置後の利用料金で回収する事業計画の場合、その計画を提供する者は、利用開始から5年以内の利用料金総額に補助金相当額を充当し、値下がりを反映した利用料金を設定すること同一申請者による申請は、同一年度内で5件を上限とする |
急速充電設備、普通充電設備等(業務に使用する電気自動車等を充電するための充電設備) | 福岡市内に事務所または事業所を持つ、中小企業基本法(昭和38年法律第154号)に定める中小企業者等の駐車場に設置される充電設備であること従業員が通勤に使用する車両への充電を行う設備は対象外とする同一申請者による申請件数は、同一年度内で3件を上限とする |
補助金額については、設備に応じて次の条件で算出されます。
- 急速充電設備(定格出力が30kW以上):補助対象経費の1/2(上限100万円)
- 普通充電設備等(普通充電設備、充電用コンセント又は充電用コンセントスタンド):補助対象経費から国等からの補助金を除いた額の1/2(上限100万円、1基あたり上限20万円)
参考:https://www.city.fukuoka.lg.jp/kankyo/j-suishin/hp/bc_hojo.html
久留米市内公共ホール利用補助金|久留米市
久留米市では、文化センター共同ホールの閉館後も市民の文化活動が継続されるよう、市内ホールの利用料金の一部を補助しています。
この制度を利用できるのは、次のいずれもの条件を満たす方です。
- 過去5年間(令和元年度から令和5年度)に共同ホールを利用し、令和6年度中に市内の公共ホールを利用する予定がある団体など
- 市内に活動拠点を持つ団体または個人(市内に事務所などを持つ法人または個人を含む)
補助対象者は、令和6年度中に市内の公共ホール(久留米シティプラザ ザ・グランドホール、久留米座、石橋文化ホールのいずれか)を利用して文化芸術活動を行うものを補助対象事業として、支援を受けられます。なお、以下に該当する事業は補助対象外となるため、注意してください。
- 営利を目的とした事業
- 市長が本補助金の趣旨に照らし不適当だと認めるもの
また、補助金額は50,000円を上限とし、補助対象事業の実施にかかる施設使用料が補助対象となります。
参考:https://www.city.kurume.fukuoka.jp/1500soshiki/9118shibunka/3020shinsei/2024-0326-1639-276.html
地域公共交通従事者確保支援事業助成金|筑紫野市
筑紫野市では、地域の公共交通の持続可能性と活性化を目指し、交通事業者の運転手確保を支援するため、助成金を交付しています。
この制度では、市内に本社または営業所を有し、市税の納付が完了している乗合バス事業者またはタクシー事業者を対象に、以下の内容で助成が適用されます。
助成対象事業 | 助成対象経費 | 助成金額 |
第二種免許取得支援事業 | 乗務員であり、市内の営業区域で運行に従事する者が、令和6年4月1日から令和7年2月28日までに第二種免許取得にかかった費用のうち、以下の経費を助成対象とします。 指定教習所の入学に要する費用、および第二種免許取得のための技能・知識教習に要した費用免許試験に関する費用 | 合わせて50万円助成対象経費の合計額と助成基準額を比較し、いずれか低い額の千円未満を切り捨てた額 |
乗務員確保支援事業 | 求人に関する印刷や製本、広告宣伝などにかかる費用助成対象期間前から雇用している乗務員に対して安定的な雇用を確保するために支給した手当などの経費 | |
新規雇用支援事業 | 助成対象期間中に新たに雇用した乗務員に対して、安定的な雇用を確保するために支給した手当などの経費 | 助成対象乗務員1人当たり、 乗合バス事業者:30万円タクシー事業者:20万円 助成対象経費の合計額と助成基準額を比較していずれか低い額の千円未満を切り捨てた金額を適用 |
参考:https://www.city.chikushino.fukuoka.jp/soshiki/3/34389.html
大学生起業家育成事業費補助金|飯塚市
飯塚市では、市内企業と学生との交流を通じて生まれる学生の創造力やアイデアを活かした事業化や、新規企業の創設を目指す取り組みに補助金を提供しています。
この補助金を申請できるのは、市内にある大学、大学院、短期大学、専門学校に在籍する学生または市内に住所を有する学生です。補助対象となった学生は、以下の事業を実施する際に補助金の交付を受けられます。
- 地域の企業、住民、または学生との交流を促進する取り組み
- 地域の企業、住民、または学生と共同で課題解決に取り組むプロジェクト
- 地域の交流活性化を図るプロジェクト
- 飯塚市を含む地域での起業・創業を目指す活動
補助金額は1件あたり10万円(補助率10分の10)とし、以下に挙げる経費が補助対象となります。なお、事業期間内に飯塚市内で起業、もしくは創業する場合、10万円が開業費として加算され、上限額が20万円まで引き上がります。
- 旅費
- 通信運搬費
- 備品購入費
- 消耗品費
- 広報宣伝費
- 賃借料
- 謝礼金
- 図書購入費
- 開業費
- その他の経費
参考:https://www.city.iizuka.lg.jp/sangakurenke/gakuseikigyo.html
住宅改修工事費補助金|那珂川市
那珂川市では、市民が市内の建設業者を通じて住宅改修(リフォーム)工事を行う際、一部費用を補助しています。
補助対象として認められるのは、以下すべての要件を満たす方です。
- 現在住んでいる住宅の所有者で、那珂川市の住民基本台帳に登録されていること
- 世帯全員が市税および税外収入金について滞納していないこと
- 世帯全員が暴力団員でないこと、または暴力団との関係を解消してから5年以上が経過していること
補助対象者は、市内在住の方が市内に所有する、自宅や併用住宅の住居部分、および分譲マンションの専有部分において、以下の要件を満たす改修工事を実施する際に補助金の交付を受けられます。
- 令和6年4月1日以降に補助金の交付を受けて実施する改修工事
- 市内の建設業者が行う住宅改修工事で、工事費(消費税を除く)が10万円以上かかるもの(ただし、他の住宅改修支援制度を利用した場合は、その補助対象外となった工事部分を除く改修工事費が10万円以上であるもの)
- 改修工事は令和7年3月31日までに完了し、完了届が提出可能であること
なお、改修工事の内容として認められるのは、以下に挙げる工事です。
- バリアフリー改修工事:段差解消工事、手すりの設置、滑り止め工事等
- 省エネ化改修工事:壁・床・天井等への断熱材の設置工事、太陽光発電の設置工事等
- 防犯・防災対策工事:防犯ガラス・扉の設置工事、住宅用火災報知器設置工事等
- 耐久性能改修工事:屋根・外壁の塗装、壁・床・天井の改修工事、水回り(風呂、トイレ、キッチン等)の改修工事等
補助金額は10万円を上限とし、住宅の改修工事に係った費用の10分の1に相当する額で決定します。
参考:https://www.city.nakagawa.lg.jp/soshiki/16/jutakukaisyukoujihojo.html
筑前町園芸農業土づくり補助金事業|筑前町
筑前町では、園芸作物の品質向上を目指して、町内で園芸作物を栽培する方々を対象に、堆肥の購入費用の支援を実施しています。
この制度の対象となるのは、町内に住所を持つ個人の方、あるいは町内に事業所を持つ法人の方です。ただし、町税を滞納している方は対象外となるため注意してください。
補助対象者は、対象となる作物(野菜、果樹、花き類に分類される作物)を育てるために、町内で販売されている堆肥を購入した際、補助金の交付を受けられます。なお、堆肥については法令に基づいて肥料の名称が明記され、かつ種類が「堆肥」に分類される令和6年1月から令和6年12月末日までに散布した堆肥が対象です。
補助金額は20万円を上限とし、補助対象経費の2分の1以内で決定します。また、堆肥の散布量上限値は10アールあたり2,500kg以下と定められています。
参考:https://www.town.chikuzen.fukuoka.jp/S029/010/020/20240513105030.html
令和5年度春日市市民活動活性化事業補助金|春日市
春日市では、市民団体が行うボランティア活動や特定非営利活動としての「市民公益活動」に対し、活動に必要な経費の一部を補助することで、市民公益活動の活性化やまちづくりのリーダー育成を支援しています。
この制度は、次の要件をすべて満たす団体を対象とし、個人は対象に含まれません。
- 春日市内に本部または支部があり、かつ1年以上の活動実績がある団体
- 団体の構成員が5人以上であり、そのうち2分の1以上が春日市内に居住、通勤、または通学している団体
- 団体への参加は特別な理由がない限り誰でも可能な団体
- 以下の活動目的を持つ団体:
- 地域コミュニティの活性化
- 地域の特色を活かした魅力の向上
- 市民生活の質の向上に寄与する活動を目指す
- 春日市の暴力団排除条例(平成22年条例第2号)第2条第1項に規定する暴力団、または暴力団員との密接な関係を有する団体は対象外
補助対象として認められるのは、共益的・互助的活動、社会貢献活動などに関する市民公益活動のうち、次のいずれかの要件に該当し、春日市民を対象に実施される事業です。
- 地域福祉に関すること
- 健康増進または体力増進に関する活動
- 子育てに関する活動
- 防犯または防災に関する活動
- 生涯学習に関する活動
- 文化振興に関する活動
- 消費者啓発に関する活動
- 国際交流に関する活動
- 男女共同参画に関する活動
- 自治会支援に関する活動
- その他地域社会に貢献する活動
補助金額は、10万円を限度とし、補助対象経費から収益(事業収入)を差し引いた額の10分の8で決定します。
参考:https://www.city.kasuga.fukuoka.jp/miryoku/kyoudou/1014520.html
脱炭素推進重点対策加速化事業(住宅用太陽光発電等設置補助金)|糸島市
糸島市では、住宅からの二酸化炭素排出削減を目指し、環境省の「地域脱炭素移行・再エネ推進交付金(重点対策加速化事業)」を活用しています。具体的には、屋根に設置する太陽光発電システムや蓄電池の設置を補助しています。
当制度を利用するのにあたって、以下の事項に留意する必要があります。
- FIT制度やFIP制度の認定を受けた設備は補助の対象外
- 補助金の交付が決定する前に着手した場合も、補助の対象外(契約や発注を着手とみなす)
- 導入した太陽光発電設備により発電した電力の30%以上を自家消費する必要がある
- 蓄電池だけの導入は補助の対象外(蓄電池単独の導入は、創エネルギーのまち・いとしま推進補助金の対象)
- 重点対策加速化事業の補助申請をする設備について、創エネルギーのまち・いとしま推進補助金(家庭用蓄電池補助)や他の国や県からの補助金とは併用できない
補助対象設備として認められるには、以下の共通事項に加え、各設備の要件をすべて満たすことが条件です。補助内容についても表に記載しましたので、併せてご覧ください。
【太陽光発電・蓄電池共通事項】
- 商用化され、実績のある設備である
- 中古設備ではない
- 既存の設備を置き換えたり増設したりすることではない
- 設置する住宅の電力使用量を考慮し、適切な出力の太陽光発電設備や蓄電池設備を同時に導入し、発電した電力の30%以上を自家消費すること(設置後、一定期間自家消費率に関する報告書を提出する必要あり)
補助対象設備 | 補助要件 | 補助内容 |
太陽光発電設備 | 糸島市内の個人住宅の屋根に設置すること個人住宅とは、個人が所有し、居住する戸建の専用住宅または併用住宅(居住用の部分の床面積が全体の2分の1以上であるもの)であり、マンションやアパート、保養所、寄宿舎などは含まれません同一敷地内にある住宅に付属する車庫なども含まれます太陽光発電モジュールの公称最大出力の合計またはパワーコンディショナの定格出力の合計が10kW未満の設備であることFIT制度やFIP制度の認定を受けていないこと再エネ特措法に基づく「事業計画策定ガイドライン(太陽光発電)」に定める遵守事項に従って事業を行うこと(ただし、FIT認定を受けた事業者には該当しません)電気事業法第2条第1項第5号ロに規定する接続供給(自己消費設備)を行わないことリース事業の場合、補助対象設備の使用者が事業によって得る環境価値を認めること補助対象設備の導入によって得られる温室効果ガス排出削減効果について、法定耐用年数が経過するまで、J-クレジット制度への登録を行わないこと | 出力1kWあたり70,000円(5kW相当額350,000円が上限) ※太陽電池モジュールの公称最大出力の合計値及びパワーコンディショナの出力の合計値のいずれか低い値に1kWあたり70,000円を乗じた額 |
蓄電池設備 | 太陽光発電設備の附帯設備として導入されること(蓄電池単独の設置は補助対象外)定置用の設備である太陽光発電設備によって発電した電力を蓄電し、停電時だけでなく日常的に充放電を行う設備である1kWhあたりの価格が15万5千円以下の蓄電池である定格容量と電池の数の積が合計で4,800Ah未満の設備であること | 設置費用の3分の1(上限10kWh相当額) ※蓄電池の価格に3分の1を乗じた額※1kWhあたり15万5千円以下の設備に限る |
参考:https://www.city.itoshima.lg.jp/s011/010/010/060/zerocarbon_citizen/r6juten.html
令和6年度福岡県中小企業融資制度
福岡県では、地域の中小企業が事業を推進するために必要な資金を支援し、企業の近代化と経営の安定を図り、地域経済の振興を目的とした融資を実施しています。
融資制度はいくつか種類があるため、自身の状況に合わせて適切な制度を選ぶことがポイントです。
おすすめな方 | 制度例 |
通常の事業運営に資金が必要な方 | 小規模事業者振興資金長期経営安定資金短期運転資金 |
経営の安定が必要な方 | 緊急経済対策資金経営改善借換資金 |
今から事業を始める方 | 新規創業資金 |
経営革新等を行う方新分野へ進出を図る方 | 経営革新支援資金 |
県政の推進に前向きな方 | ふくおか県政推進サポート資金 |
中国、インドを始めとするアジア諸国に販路拡大等を図ろうとする方 | アジアビジネス展開支援資金 |
※令和6年度 福岡県中小企業融資制度のご案内をもとに作成
参考:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/r6yuushiseidoannai.html
事業承継実現(M&A事業)補助金
福岡県では、「福岡県事業承継・引継ぎ支援センター」を通じて、M&A仲介業者による仲介を受け、県内の中小企業が事業を譲渡する際のM&A成約に関連する仲介手数料を補助しています。
補助対象経費として認められるのは、M&A仲介業者に支払う、M&A成約のための仲介手数料です。
なお、補助金額は50万円を上限とし、補助対象経費の1/3以内の額で決定します。
参考:https://www.pref.fukuoka.lg.jp/contents/syoukeijitsugen-ma-hojo.html
まとめ
今回は、福岡県で事業主や個人が活用できる、計10種類の補助制度を紹介しました。
福岡県の補助金制度は多岐にわたります。各制度の内容をしっかりと理解し、自分に最適な補助金を見つけることが重要です。
この記事を参考に、福岡県の補助金制度を有効に活用して、事業や生活の向上に役立ててください。